官僚制(かんりょうせい)
bureaucracy 一般的には,特権的な社会層を形成する官僚集団が行う政治支配形態をいい,近代国家における合理主義的職掌分業システムをさす。その語は18世紀に生まれ,従来の君主制や貴族制とは異なる新しい支配形態を意味した。これに対し,M.ヴェーバーが定義した近代官僚制は,職務権限や給与体系の法制化,専門職による分業,文書による処理,採用における世襲や情実の排除などの特徴があり,近代市民革命の所産としてそれまでの絶対主義的官僚制やアジアの家産的官僚制と区別された。しかし,早くから皇帝支配が確立した中国の官僚制においては,ヴェーバーが指摘する近代官僚制の特徴をすでに多く備えており,それを「遅れた」形態としてみることを困難にしている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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