関東軍(かんとうぐん)
日中戦争前に日本が中国東北部に置いた陸軍部隊。日露戦争によって獲得した関東州と南満洲鉄道の守備や諸権益確保を目的に駐屯軍を配置したことに由来する。1919年天皇直属の司令部が旅順に置かれ,対ソ防衛の役割を担った。武力を背景にたびたび中国の内政に干渉し,28年の張作霖(ちょうさくりん)爆殺や31年の満洲事変勃発などの謀略を企てた。また32年には満洲国を建国し,満洲の全権を掌握して,最盛期には70万人の兵力を備えた。しかし,張鼓峰(ちょうこほう)事件やノモンハン事件など,38~39年におけるソ連軍との局地戦ではことごとく敗北し,45年8月9日のソ連参戦によって一挙に壊滅した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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