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韓国併合(かんこくへいごう)

1910年8月22日調印の「韓国併合に関する条約」による日本の韓国併合。日本は1876年に日朝修好条規を結び,列強に先んじて朝鮮を開国させ,その後も鋭意朝鮮への政治的・経済的進出を策した。そして朝鮮の宗主国として指導権を握っていた清国を,日清戦争で朝鮮から駆逐し,次に清国に代わって進出してきたロシアを日露戦争で敗退させ,1905年8月の第2次日英同盟,同年9月の日露講和条約によって,韓国(1897年より朝鮮のことを韓国という)に対する日本の独占的な指導,保護,管理の権利が承認された。そこで日本は,同年11月,第2次日韓協約(韓国保護条約)を結んで,韓国の外交権をいっさい日本政府に移管し,ソウルに統監を置いて外交の監督にあたらせた。さらに07年7月の第3次日韓協約によって韓国の内政改善,法令の制定,高級官吏の任免を統監の指導監督下に入れ,裁判所,監獄,警察および中央・地方官庁の要所に多数の日本人官吏を採用することとした。これによって日本は韓国の外交,内政,司法,警察の実権をほとんど掌握した。さらに韓国における日本の勢力を確立するためには,韓国を併合して名実ともに日本の統治下に置く必要があると考えた日本政府は,09年から準備を進め,翌年5月から交渉に入り,8月22日に併合を達成,朝鮮総督府をおいて統治にあたらせた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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