カピチュレーション
capitulation オスマン帝国時代にヨーロッパ諸国に与えられた特権を意味する用語。語源的にはラテン語のカピトゥラに由来する。これにより当該国の国民は,オスマン帝国領内での居留の自由,通商の自由,住居の不可侵などが認められた。最初のカピチュレーションは,1535年スレイマン1世によってフランスに与えられ,順次イギリス,オランダその他の国々にも及んだ。オスマン帝国の衰退とともに,この特権は本来の趣旨を越えて裁判管理権や非課税権などを含む治外法権に転化した。第一次世界大戦後,民族主義の高まりによって撤廃が主張され,トルコでは1923年ローザンヌ条約で,シリア,パレスチナでは委任統治国により,イラクでは23年の国際協約で,イランでは28年に,エジプトでは37年モントルー会議の結果,廃止された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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