カナダ,1982年憲法(カナダ,せんきゅうひゃくはちじゅうにねんけんぽう)
Constitution of 1982 1982年にカナダ自由党の首相ピエール・トルドーは,カナダの憲法的法律だった1867年のイギリス領北アメリカ法をイギリスからカナダ議会へと移管して1867年憲法と改称した。同時にそれまで欠如していた国民の基本的な人権と自由に関する規定を盛り込んだ「権利と自由の章典」や,「先住民の権利」に関する条項などが加えられ,エリザベス2世の署名を得て,1982年憲法として公布された。新しい憲法は,1960年代から始まったフランス系など少数民族からのナショナリズム運動を背景としており,最後の植民地的な遺制を払拭して「憲法上の独立」を達成しただけでなく,カナダがイギリス系のみではない多民族国家に変容したことの反映でもあった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう