ガット
GATT (General Agreement on Tariffs and Trade)1948年1月に発効した,関税貿易一般協定の略称。戦前の世界経済のブロック化が,第二次世界大戦の原因になったという反省のうえに立ち,自由,無差別,多角主義の原則のもとで,関税引下げや輸出入制限の撤廃によって,世界貿易と各国の雇用を拡大することを目的として,国際貿易機関(ITO)の設立が計画された。しかし,ITOは,アメリカ議会がITO憲章(ハバナ憲章ともいう)の批准を拒否したため,実現しなかった。ガットはそれに代わるものとしての機能を果たした。事務局はスイスのジュネーヴに置かれた。また,日本は55年に加盟。95年,新しく世界貿易機関(WTO)が成立すると,ガットは「94年のガット」として,その一部に組み入れられ,機能を存続させている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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