カタリ派(カタリは)
Cathari 12~13世紀に西ヨーロッパに広がったキリスト教の異端。北イタリアではパタレニ,南フランスではアルビジョワ派などとも呼ばれた。カタリとは「清浄」の意で,教義はマニ教的二元論で,肉体を罪悪視して禁欲主義を唱え,カトリック教会の全秘蹟(ひせき)(サクラメント)を否定した。成員は完成者と平信徒に分かれ,平信徒は完成者と認められる前または死の直前に,肉より霊を解放する慰安礼を受けた。有名な自殺の慣習は,今日では疑問視され,結婚拒否も実行したのは完成者のみで,平信徒はその秘蹟性を拒んだにすぎない。12世紀以来,カトリック教会による絶滅の努力の対象となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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