カイドゥ
Qaidu ?~1301 モンゴル帝国第2代オゴデイの第5子カシの長子。第3代グユクの死後,帝位がオゴデイ家からモンケらトルイ家に移り,オゴデイ家が弾圧されたため,現状に不満をもつようになった。1266年頃から頭角を現し,69年のタラス会盟では中央アジアにオゴデイ家領を拡大した。クビライの大元ウルス(元朝)と対立し,80年前後にはチャガタイ家,アリク・ブケ家をも配下に置き,中央アジアに「カイドゥ王国」を築いた。クビライが長逝しテムル(成宗)が帝位を継承すると,カイドゥ配下でテムル側に投降する者があいついだ。危機感を深めたカイドゥは,1300~01年に大軍を率いてモンゴル高原西部からアルタイ方面で大元ウルス軍と会戦したが敗北し,まもなく死去した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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