海禁(かいきん)
中国の明清時代,庶民の海上交通や貿易活動に対する王朝の制限政策。明の洪武帝は,元末以来の倭寇(わこう)を取り締まるため,王朝による朝貢貿易を推進する一方で,中国人の海外渡航や外国との貿易,外国船の往来を禁止した。16世紀半ばには,王直(おうちょく)をはじめとする中国人の密貿易が再び活発化した。1567年に中国人の海外渡航の禁を緩めたが,清初には,鄭成功(ていせいこう)に対抗して遷界令(せんかいれい)をしき,制限を強化した。アヘン戦争後の1842年に南京条約を締結し,この政策を最終的に放棄した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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