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原始キリスト教(げんしキリストきょう)

Primitive Christianity[英],Urchristentum[ドイツ] イエスの死後イェルサレムにおける最初の教会成立から,1世紀の終り頃までの初期70年間のキリスト教。この間にイエスの使徒ペテロ,パウロたちによって伝えられた福音が,ユダヤの地域を越えてヘレニズム,ローマの世界に,ユダヤ人から異邦人へと広まっていった。各地に教会が建てられ,使徒たちの手紙や福音書が書かれて新約聖書の基礎が置かれた。教職制度はまだ整備されていなかった。ユダヤ教との区別は初め明確ではなかったが,ネロ帝のときペテロらがローマで殉教し,第1次ユダヤ戦争でイェルサレムが陥落(70年)したことによって,ユダヤ教からの分離と世界宗教としてのキリスト教が決定づけられた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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