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義和団事件(ぎわだんじけん)

清末,1898~1900年山東から起こって,河北,河南,山西に波及した義和団の,キリスト教および外国の侵略に反対する武装蜂起。義和団は義和拳(けん)と称する武術を修練し,白蓮教(びゃくれんきょう)の流れをくむ一種の迷信を奉ずる郷村の自衛団であったが,1897~1900年,華北一帯の災害のため窮乏した農民,流民,下級労働者の参加によって急速に拡大した。義和団が排外運動に立ち上がったのは,山東民衆のキリスト教会に対する反感,1897年からのドイツの山東進出に対する反感のためであるが,地方官の間に義和団を有力な排外勢力として保護奨励する者があったからでもある。義和団は99年末に山東から河北に入り,「扶清滅洋」の旗を掲げて各地の教会を攻撃し,宣教師や教徒を殺し,鉄道や電線を破壊し,1900年6月,20万の勢力をもって北京に入った。官兵の一部もこれに合流して教会を攻撃し,日本およびドイツの外交官を殺害した。すでに清朝の宮廷内では義和団に同調する一派が指導権を握り,6月21日列強に宣戦を布告したから,北京の外国公使館地区に対する攻撃のほか,華北一帯にわたって外国人および教会に対する大規模な攻撃,殺戮(さつりく)が始まった。そこで日本,ドイツ,ロシア,アメリカなどの8カ国は連合して出兵,8月に北京を占領,各地の義和団を鎮圧した。01年9月辛丑(しんちゅう)和約(北京議定書)によって,責任者の処罰,賠償金の支払い,北京および海港間の駐兵権を承認させた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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