コンゴ自由国(コンゴじゆうこく)
1885年にアフリカ分割を定めたベルリン会議によって成立した形式的な独立国家。実態はベルギー国王レオポルド2世の私有領であった。アフリカ中央部のコンゴ盆地はヨーロッパ人の接近が最も遅れた地域だったが,植民地獲得に熱意を燃やすレオポルド2世は探検家スタンリーを利用してそこでの支配を確立し,自由な経済活動の保証と引き替えに,ベルリン会議で自己の統治権を列強に承認させた。しかしベルギー本国議会が植民地経営に反対したため,形式的独立国として統治された。象牙や野生ゴムの輸出に依存する収奪的で過酷な統治が行われ,その悲惨な実態は他国からの強い批判を招いた。結局1908年にベルギーの正式な植民地となり,コンゴ自由国は消滅した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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