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コムーネ

comune 住民共同体,およびそれが支配する自治都市。イタリア北部・中部の神聖ローマ帝国領,教皇領では,皇帝と教皇が叙任権闘争で互いに権威を失墜させたので,両者の任命する都市領主(伯,司教)の地位も弱化した。一方,経済が発展した都市では,人口と勢力の増大した住民は,コムーネ(住民共同体)を結成していたが,この状況を利用して,12世紀初め頃に都市領主から都市の実権を獲得した。コムーネの支配する都市も,コムーネ(住民の自治都市)と呼ばれた。その権力は,名目上は住民全体にあったが,事実上は旧都市領主の家臣,周辺農村の小領主,大商人などいわゆる都市貴族にあった。コムーネは,やがて徴税権,農村支配権など皇帝大権を行使しはじめたので,皇帝フリードリヒ1世は,これを回復すべくイタリアに遠征したが,ロンバルディア同盟に大敗し,1183年のコンスタンツの和約で事実上それを承認した。ここに,主権(皇帝大権)を行使する,都市国家としてのコムーネが誕生した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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