国際連盟(こくさいれんめい)
League of Nations 1920年1月20日に設立された史上初の世界的な,集団安全保障を中心とする平和維持・国際協力機構。第一次世界大戦を終結させた19年のヴェルサイユ条約第1編が連盟規約となった。本部はスイスのジュネーヴに置かれた。すべての連盟加盟国で構成される総会,イギリス,フランス,イタリア,日本の4常任理事国(のちドイツとソ連が加わり6カ国)と総会選出の4非常任理事国(任期3年,のち9カ月)で構成される理事会,事務局の3主要機関からなり,このほか国際労働機関(ILO)と常設国際司法裁判所(PCIJ)が連盟と密接な関係を持っていた。連盟加盟国は,第一次世界大戦の戦勝国および招請中立国計42カ国を原加盟国とし,敗戦国および新独立国に対しては,連盟総会の3分の2の同意で加入を承認した。提唱国アメリカは議会が批准を拒否したため,連盟には加わらず,またソ連は最初から除外されたため,運営は英仏を中心に行われた。1920年代,小国の国際紛争では連盟はその効力を発揮し,28年の「不戦条約」および「国際紛争平和的処理に関する一般議定書」などの採択によって国際平和の推進にみるべきものがあったが,31年の満洲事変処理の失敗,35年のエチオピア侵略に対するイタリアへの経済制裁の不徹底は,連盟の無力さを露呈させ,また常任理事国の日本(1933年3月),ドイツ(33年10月),イタリア(37年12月)の連盟からの脱退,ソ連‐フィンランド戦争に際してのソ連除名(39年12月)は,連盟の威信をさらに傷つけ,その活動を停滞させる重大な要因となった。46年4月国際連合設立に伴い正式に解散した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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