国際連合(こくさいれんごう)
United Nations 第二次世界大戦後,国際平和と国際協力を目的に設立された国際組織。国際連合の名称は,第二次世界大戦の「連合国」(the United Nations)を用いたものであり,考え方はすでに「連合国宣言」(1942年)に表れているが,国際的平和維持組織設立の構想が正式に国際関係において認められたのは,モスクワ外相会議(43年10月)である。その後,テヘラン会談,ダンバートン・オークス会議,ヤルタ会談をへて,国連憲章制定のサンフランシスコ会議が開催され(45年4~6月),1945年6月26日に国連憲章を採択,同憲章が10月24日に発効し,原加盟国51カ国で発足した。本部はニューヨーク,ヨーロッパ本部がジュネーヴにある。加盟国は,2006年末現在で192カ国。日本は1956年12月18日加盟。国際連合の目的は,国際の平和と安全を維持すること,および,経済的・社会的・文化的国際協力を推進することである。国際連盟では,安全保障の問題を第一次的に考え,国際協力を二次的なものと捉えていたが,国際連合では,両者を同列に捉え,相互に補完するものとした。このような安全保障と国際協力の関係を最も端的に表したのが,国際連合と密接な関係を持つユネスコ憲章の前文の「戦争は人の心の中で生まれるものであるから,人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という表現である。国際連合は,総会,安全保障理事会,経済社会理事会,信託統治理事会,国際司法裁判所,事務局の6機関で構成される。国際連合は,国際の平和と国際協力の広範囲にわたる任務を遂行しているが,最も重要なのは,現在の国際社会で活動する多くの国際組織の中心としての役割を果たしていることである。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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