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国際法(こくさいほう)

international law/law of nations 国際社会の法。国際法には,不文法の国際慣習法と成文法の条約がある。国際法は,近代国際社会の歴史的所産であるが,当初,神学者,法学者,哲学者などグロティウスをはじめとする国際法学の英雄といわれる人たちが,国家間にも法が必要であることを説き,その内容をローマ法や自然法をもとに理論,学説として表した。これを当時の絶対君主たちが受け入れ,国家間の調整を行う国家実行を重ね,近代主権国家の形成と相まって,ヨーロッパにおいて国際慣習法が実定法として形成され,その体系が19世紀にはほぼ完成し,アジアにも広がった。20世紀に入り,国際法は,それまで合法としていた戦争を違法なものとし,その基本的構造を大きく変換した。19世紀までの国際法を伝統的国際法,20世紀以降の国際法を現代国際法と呼ぶゆえんである。現代国際法の特徴は,国際社会の全体利益を基軸としながら主権国家の主張を抑制,調整することにある。国際法は,今日,国家のみならず,国際組織や個人をも規律の対象とする。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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