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公民権法(こうみんけんほう)

Civil Rights Act アメリカの黒人差別撤廃を規定した公民権法はいくつかあるが,代表的なものは1964年公民権法である。64年の法の趣旨は,(1)投票権の保障に伴う司法長官の権限拡大,(2)宿泊・娯楽施設での人種,皮膚の色,宗教,出身国による差別の禁止,(3)自治体施設や公教育での人種分離禁止,(4)公民権委員会の権限拡大,(5)連邦が援助する事業での差別禁止,(6)人種,性別などによる雇用差別の禁止,(7)雇用機会均等委員会の設置などである。史上初めて,黒人が白人と同じ人間として基本的な諸権利を獲得した画期的な法律。政治参加と雇用促進によって黒人の生活は向上したが,黒人優遇政策が裁判で違憲となることが多くなり,91年公民権法で権利の侵食に歯止めをかけた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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