黄巣の乱(こうそうのらん)
Huang Chao 唐末の875~884年に起こった農民反乱。黄巣はその指導者で,科挙の落第生,富裕な塩の闇商人で,多数の侠客(きょうかく)を養っていた。当時塩,茶の闇商人は政府の弾圧に抗して武装しており,政府の重税,特権商人の圧迫で没落する農民の反抗と結びつくことが多かった。反乱は仲間の王仙芝(おうせんし)の挙兵に始まり,黄巣がこれに応じ,各地の群盗,農民を結集して大きくなった。初め山東,河南を荒らしまわったが,王仙芝が投降を試みたので黄巣はこれと分かれ,王仙芝が殺されてから江南,福建をへて広州を陥れた。それより北上して荊州(けいしゅう)から長江にそって下流に出,淮河(わいが)を渡り,天補平均大将軍と称して洛陽,長安を陥れた。帝位について国を大斉(だいせい)と号したが,補給を絶たれて分裂が起こり,長安を撤退して河南に出たが,李克用(りこくよう)の軍に敗れて泰山で自殺した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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