黄巾の乱(こうきんのらん)
後漢末の農民反乱。生活に苦しむ農民が迷信に走り,支配に反抗する風潮を利用して張角の唱える太平道が民心をとらえ,信徒は10年間で山東,河北を中心に,河南,長江岸まで数十万に達した。張角は信徒を軍隊に編成して,184年河北で政府打倒の兵を起こしたため大乱となった。衆徒は目印に黄巾を着けた(黄色は五行思想で漢朝の交替を示す)。政府は地方豪族の協力を得て同年末に中心勢力を鎮定したが,その後残党,与党の反乱が各地で起こり,中央政府の威信は失われ,討伐の諸将も各地に割拠して,後漢王朝滅亡の一因となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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