郡県制(ぐんけんせい)
中国の中央集権的な地方統治の機構。秦が天下を統一して,のち(前220年)全国的に施行したが,その萌芽は戦国時代の各国にみられる。秦の郡県制は全国を36郡(のちに48郡)に分け,郡の下に多くの県を設け,郡に郡守,郡尉,監御史(かんぎょし),県に県令,県尉,県丞(けんじょう)を置き,民政,軍事,監察の3権を分掌させ,これを中央が統轄した。漢初ではこれに封建制を併用した郡国制をしき,武帝のときさらに州を加え,やがて州郡県制となった。隋では郡を廃して州県制,唐では道,宋では路,元では省が,かつての郡の単位として設けられるなど,時世の推移に応じて変遷しているが,郡県制的な行政区画を通じての地方統治方式に変わりはなく,清末まで続いた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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