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満洲国(まんしゅうこく)

日本が満洲につくった傀儡(かいらい)国家。1931年日本は満洲事変を起こして満洲支配を確立し,対ソ連の基地としようとして,11月天津から清朝の廃帝宣統帝溥儀(ふぎ)を迎えて執政とし,32年3月1日満洲国を建設した。日本は日満議定書を調印して,満洲国を承認し,34年3月溥儀は皇帝となった。満洲国は五族協和,王道楽土の実現を標榜したが,実際は日本が軍事,政治,経済の指導権を握った。また協和会の一党独裁制をとったが,これも関東軍の指導下にあった。建国当初は個人的資本の進出を抑制しようとしたが失敗し,37年からは軍需産業の自給自足のための第1次・第2次の五カ年計画を実施した。これは満洲国民に大きな犠牲をしいる結果となり,東北抗日連軍に活動の地盤を与えた。一時70万の精鋭を誇った関東軍も太平洋戦争の進展とともに弱体化し,45年ソ連軍の進攻にもろくも崩壊,溥儀は退位を宣言し,建国13年で満洲国は解体した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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