メキシコ革命(メキシコかくめい)
20世紀初頭のメキシコで,19世紀後半以来のディアスの独裁体制が倒され,内戦の末に新たな政治体制の枠組みが生まれた過程をさす。1910年にマデーロが独裁体制の打倒を呼びかけて革命は始まった。ディアスは翌年亡命しマデーロが大統領に就任したが,13年にウエルタの謀反で暗殺され,内戦状態となった。14年にウエルタは追放されカランサが主導権を握ったが,農地改革を主張するビリャやサパタと対立し内戦状態が続いた。この間,進歩的な内容の1917年憲法が制定された。19年のサパタの暗殺,20年のカランサの暗殺とビリャの引退によって内戦状態は終結した。憲法の内容はなかなか実行されなかったが,カルデナス政権(1934~40年)で農地改革や石油産業国有化が実現され,労働条件の改善が進められた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう