メガリ・イデア
Megali Idea 19世紀後半からのギリシア王国の領土拡張を正当化する思想。「大いなる思想」の意。1844年の国会での首相コレッティスの演説に由来するといわれる。いまだオスマン帝国下に残されていたギリシア人を「解放」し,歴史的にギリシア文化の影響下にあった地域を王国の領土として「回復」することをめざした。その最終目標はコンスタンティノープルを首都とするビザンツ帝国の版図の再興と考えられた。オスマン帝国や東地中海をめぐる列強の利害対立,あるいはバルカン戦争,第一次世界大戦をとおして,北はテッサリア,イピロス,マケドニア,トラキア,南はクレタ島を筆頭とするエーゲ海の島々へと領土は拡張された。1922年アナトリアでの対トルコ戦の敗北によってこの思想は影響力を失った。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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