民変(みんぺん)
中国の明末清初期に,都市を舞台に発生した民衆暴動。万暦(ばんれき)帝は,銀を獲得するために各地の都市や鉱山に宦官(かんがん)を派遣して,流通過程に大増税を行った(鉱・税の禍)。このため1599年以降,臨清,蘇州,武昌などでは,中央から派遣された宦官を対象に商工業者や読書人による反宦官闘争が頻発した。また1582年,都市の夜警負担の不公平是正を求めて発生した杭州民変では,改革に反対する郷紳(きょうしん)などの特権者が攻撃の対象となった。背景には,商品流通が拡大し,結節点となる都市の役割が重要となる一方,都市民衆の意識も高まったことがあげられる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう