ミラノ

Milano イタリア北部ロンバルディア地方の中心都市。前5世紀にガリア人により建設され,前2世紀にローマに服属。ローマ帝国の東西分裂により,西ローマ帝国の首都となる。4世紀にはアンブロシウスによってキリスト教化され,大司教座が置かれた。西ローマ帝国の崩壊後,ランゴバルド,フランクに服属。11世紀には自治都市となり,毛織物業などで発展する。1162年にはフリードリヒ1世に包囲され破壊されるが,ロンバルディア同盟の支援により再建され,同盟の中心都市となった。13世紀末にヴィスコンティ家が政治の実権を握り,14世紀末には同家のジャンガレアッツォはロンバルディア全域を征服してミラノ公国の基礎を築いた。15世紀後半に傭兵出身のスフォルツァ家が実権を握るが,1499年にフランスに支配されるとその後は外国勢力の支配を受けた。1535年からはスペイン・ハプスブルク家,1706年からはオーストリアの支配に服し,後者のもとでは啓蒙改革が行われ経済的に発展した。ナポレオン期にはチザルピーナ共和国,イタリア共和国の首都となったが,ウィーン体制後は再びオーストリアの支配に服し,1859年のイタリア‐オーストリア戦争の過程でサルデーニャ王国に併合された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう