南アフリカ共和国(みなみアフリカきょうわこく)
Republic of South Africa アフリカ大陸南端の共和国。首都プレトリア。住民の約68%がアフリカ人で,オランダ系やイギリス系の白人18%。カラード10%,アジア人3%。ポルトガルの喜望峰発見の後,1652年にオランダ東インド会社が補給基地(のちのケープタウン)を築いた。その後入植地として発展したが,ナポレオン戦争でイギリスが占領(1814年)。先住白人(主としてオランダ系の通称ブール人,のちにアフリカーナーと自称)の多くはイギリス支配を嫌って奥地に移住し,トランスヴァール共和国,オレンジ自由国などの国を建てたが,最終的には南アフリカ戦争でイギリスにより征服された。1910年イギリス連邦内の自治領として南アフリカ連邦が発足するが,アフリカーナー勢力の政治的影響力がしだいに強まり,61年イギリス連邦から脱退し共和国となった(94年復帰)。またアフリカ人を隔離,管理するアパルトヘイトを強行し,76年のソウェト(ヨハネスブルグ黒人居住区)蜂起に象徴される抗議運動を引き起こし,国際政治でも孤立した。だが内外の圧力に抗しきれず,94年史上初の全人種参加選挙が行われ,アフリカ人民族会議(ANC)が勝利し,党首マンデラが大統領に就任した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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