秦漢以来の中国諸王朝にみられる思想統制を反映した筆禍事件。なかでも異民族王朝であった清朝の筆禍事件が史上名高く,特に康熙(こうき)帝,雍正(ようせい)帝,乾隆(けんりゅう)帝の3代にわたる盛時に最も激しさを加えた。雍正時代の査嗣庭(さしてい)事件はその著例であり,郷試(きょうし)の問題中の一節「維民所止」の維と止は,雍正帝の頭をはねる意図があるとして,出題者の一族を処罰した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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