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南北戦争(なんぼくせんそう)

Civil War アメリカ合衆国を脱退して新国家を建設した南部11州と,この脱退を認めようとしない合衆国との間で1861~65年に起こった内乱。1812年戦争以後商工業地域として発展を遂げた北部と,黒人奴隷を使役して綿花栽培を行う南部とは奴隷制の是非をめぐって意見を異にするに至った。40年代の領土拡大は西方領土への奴隷制導入の可否をめぐって南北間の意見の対立をさらに深めた。南部はリンカンの大統領当選を機に脱退へと踏み切り,61年4月12日,南軍のサムター要塞攻撃によって戦争が始まった。南北戦争は史上初の近代的総力戦であり,地雷,甲鉄艦などの新兵器や鉄条網,塹壕(ざんごう)が戦場に登場し,電信,鉄道輸送が威力を発揮した。戦死者は南北あわせて62万人を数えた。戦争中にリンカンにより奴隷解放宣言が出されただけでなく,合衆国政府により保護関税法とホームステッド法が制定され,大陸横断鉄道の建設が認可されたため,北部産業資本はこれ以後国内市場を拡大し,南部を組み込んだ形で国民経済を発展させることができるようになった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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