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南京事件(ナンキンじけん)

・〔1927〕1927年3月24日,南京で起きた暴動に端を発した国際的事件。中国共産党指導下の国民革命軍は,北方の軍閥軍を破り南京を占領。軍閥軍は敗走するが,その際大衆も加わりイギリス,アメリカなどの領事館,居留地を襲撃,略奪。イギリス,アメリカなどは居留民保護を理由に南京城内を砲撃。中国側に2000人あまりの死傷者を出した。イギリス,アメリカなどはその後,蒋介石(しょうかいせき)に大衆暴動の鎮圧を要請。日本は幣原(しではら)外交の内政不干渉主義により砲撃には加わらなかったが,事後処理ではイギリス,アメリカに同調した。蒋は事件の背後に共産党の扇動があったとし,これ以上の諸外国との対立はかえって列強の軍事侵攻を増長させると判断し,四・一二クーデタに踏み切った。・〔1937〕南京大虐殺ともいう。日中戦争初期に,中国国民政府の首都南京を攻略した日本軍が,中国軍民に対して大規模な残虐行為を行った事件。1937年12月13日に南京を占領した日本軍は,住民を巻き込んだ包囲殲滅戦,残敵掃蕩戦を展開した。この時,すでに戦闘部隊の体をなさず,戦意を喪失した膨大な数の投降兵,敗残兵,捕虜,負傷兵を,戦時国際法に違反して処刑,殺害した。日本軍の軍事占領は翌年3月まで続き,この間に敗残兵狩り,便衣兵(べんいへい)(私服になった兵士)狩りを行い,兵士の嫌疑をかけた成年男子市民も殺害した。中国女性の強姦,食物や物資の略奪,人家の放火・破壊など軍紀の乱れによる不法行為も多発した。南京城内とその周辺さらに付近の農村を含めて十数万の中国軍民が犠牲になったと推測されている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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