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南下政策(なんかせいさく)

帝政ロシアの南下政策は17世紀末の2度のクリミア遠征にさかのぼるが,エカチェリーナ2世の時代に入ると,2度のロシア‐トルコ戦争(1768~74年,87~91年)の結果,ロシアはクリム・ハン国を併合して,黒海へ進出した。黒海とバルカン半島への勢力拡大政策は,19世紀を通じても続けられ,1828~29年のロシア‐トルコ戦争により,ロシアはトルコからドナウ川沿岸,黒海沿岸の領土を獲得したが,クリミア戦争に敗れ,パリ条約の結果,その南下政策は阻止された。ロシアはさらに1877年にもトルコと戦い,バルカンにおける優位を獲得したが,ベルリン会議によって,またしてもその南下政策は阻まれた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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