ナポレオン3世(ナポレオンさんせい)
1808~73(在位1852~70) フランスの皇帝。ナポレオン1世の弟オランダ王ルイ・ボナパルトの子。第一帝政崩壊により亡命。1836年と40年に帝政回復をめざして,フランスでの反乱を計画。失敗しイギリスに逃れ,二月革命で帰国後代議士に当選。ついでナポレオン1世の名声に訴え小農民層の支持を得て大統領に当選。ここにいわゆるボナパルティズムが発揮され,51年クーデタにより憲法を改め,翌年人民投票で帝位につき第二帝政を開始。立法・行政の権限を独裁し,新聞や労働者への統制を強め,同時に対外戦争によって自己の威信の保持に努力した。しかし59年のイタリア統一援助はカトリックの反対を招き,60年専制を緩和せざるをえず,以後共和派が増大。メキシコ干渉にも失敗しビスマルクの外交に圧倒され,ついに70年のプロイセン‐フランス戦争に敗北して没落した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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