ナセル

1918~70 エジプトの軍人,政治家。士官学校卒業後,第1次中東戦争に従軍。反英,反体制運動に身を投じ,自由将校団を組織。1952年エジプト革命によって王制を打倒した。56年大統領に就任(在任1956~70)。アラブ・ナショナリズムを基軸とするその政治思想はナセル主義と呼ばれる。55年のバンドン会議(アジア・アフリカ会議)で第三世界のリーダーとして認知される。56年にはスエズ運河の国有化を断行。第2次中東戦争(スエズ戦争)の政治的勝利によってアラブ世界における威信を高め,58年シリアと合併してアラブ連合を結成した。しかし,61年シリアが離脱,67年には第3次中東戦争に敗北するなど,しだいにその指導力にもかげりがさし,70年ヨルダン内戦の調停中に急死した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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