ナイル川(ナイルがわ)
アフリカ北東部を流れる世界最長の大河(6690km)。ウガンダのヴィクトリア湖に発する白ナイルとエチオピアのタナ湖に発する青ナイルは,スーダンのハルツーム付近で合流。下流では水位の周期的増減と肥沃なデルタが古代エジプト文明を育み,ヘロドトスは「エジプトはナイルの賜物」と記した。さらに流域にはメロエ王国なども成立した。また,ナイル川の水源の特定はアフリカ探検の最大の目標の一つで,1770年ブルースがタナ湖を青ナイル水源と「確証」し,1862年スピークが白ナイル水源のヴィクトリア湖を「発見」した。ナイル川の水資源利用のためエジプトではさまざまな灌漑設備が考案されたが,1903年完成のアスワン・ダムや70年完成のアスワン・ハイダムがその代表例である。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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