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日中戦争(にっちゅうせんそう)

1937年7月の盧溝橋(ろこうきょう)事件から45年8月の日本の敗戦まで,日中間で戦われた戦争。中国では中日戦争,抗日戦争などという。日本ではかつて戦争当初を北支事変,上海事変以後を支那事変と称し,41年12月以後は大東亜戦争の一部としていた。戦争として規定していないが,日中戦争と呼ぶのが適当であろう。満洲事変以来の日本の対中侵略はしだいに中国人の抵抗を強め,盧溝橋事件を引き起こした。日本軍は華北から兵火を華中,華南へと拡大したが,国民政府を屈服させることができなかった。その間,共産党軍は国民党軍の放棄した地域に進出していった。38年武漢作戦から太平洋戦争が始まるまでは,戦局はほとんど膠着し,長期化の様相を示した。共産党は解放区を確立,拡大していき,国民党は対日作戦より共産党対策を重視し,しばしば共産党軍との武力衝突を起こした。一方,国民党の一部は日本側に降って南京政府を樹立した。太平洋戦争勃発後,情勢は著しく変化した。一時苦境に陥った共産党は延安整風運動によって強化され,国共関係は好転のきざしがなかった。しかし,日本軍の占領地の経済,政治は混乱し,連合国の中国大陸利用作戦も進んだ。日本は大陸打通(だつう)作戦を行って戦局の挽回を図ったがついに成功せず,敗戦を迎えることとなった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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