日米安全保障条約(にちべいあんぜんほしょうじょうやく)
アメリカとの同盟関係を戦後日本の安全保障上の機軸として位置づけた条約であり,「平和憲法」下の軽武装路線を支えた日本の安全保障体制の根幹。1951年9月,サンフランシスコ講和条約調印と同時に署名された旧条約は,「基地貸与協定」としての性格が強い一方で,アメリカの日本防衛義務が明文化されていないうえ,米軍による日本の治安維持を想定したいわゆる「内乱条項」があった。60年1月に新条約が締結されたが,旧条約との主な相違点は国連憲章との関係を明確化し,「内乱条項」を撤廃し,条約の実施に関する協議制度および10年間の条約期間を設けたことである。新条約調印に際しては激しい反対運動が起きた。70年代末から日本は米軍に多額の資金提供を行っている。冷戦後には「日本の防衛」に加え「地域の安定」を重視すべきとの認識が生まれ,96年の「日米安全保障共同宣言」を通じて日米安保体制は再確認され,97年には新たな「日米防衛協力のための指針」(「ガイドライン」)が策定された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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