西インド諸島(にしインドしょとう)
West Indies 北アメリカ南東部と南アメリカ北西部の間にカリブ海を囲んで連なる島々。すなわち,(1)キューバ島,エスパニョラ島,ジャマイカ島,プエルトリコ島よりなる大アンティル諸島。(2)プエルトリコ島とベネズエラ北部の間に弧を描く小アンティル諸島。これには,北からヴァージン諸島,リーワード諸島,ウインドワード諸島が含まれる。(3)キューバの北のバハマ諸島。エスパニョラ島,キューバ島はスペイン植民地時代,本国への連絡地点として防衛されたが,ジャマイカと小アンティル諸島の大部分は,イギリス,フランス,オランダ,デンマークなどの抗争の場となり,私拿捕(しだほ)船,海賊船などが跳梁した。西インド諸島は,17世紀以後タバコ,綿,特に収益性の高い砂糖の産地となり,これが絶滅した先住民の代替労働力として導入された黒人奴隷の市場と結びついて,三角貿易が行われ,ヨーロッパの富の源泉となって,産業革命やアジア制覇の前提となった。エスパニョラ島東部のハイチは,フランス革命の影響のもとに1804年に独立し,西部はドミニカ共和国として44年に独立。アメリカ‐スペイン戦争の結果キューバは1902年に独立,プエルトリコはアメリカ領となった。小アンティル諸島の大部分とバハマ諸島は第二次世界大戦後独立した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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