オルドス・ブロンズ
Ordos Bronze 中国北方の砂漠,草原地帯で発見される青銅器。最初に発見されたのが内蒙古自治区のオルドス地方であったことから命名。かつてその地域が綏遠(すいえん)省に属していたため綏遠青銅器と呼ばれたこともある。前15世紀頃にさかのぼる短剣,ナイフ,耳飾りから,前10~前9世紀のカラスク式短剣,前8~前3世紀のスキタイ・シベリア風動物文様の施された武器や装飾品,前6~前5世紀のアキナケス型短剣(蝶形の鍔(つば)が特徴で中国では径路刀(けいろとう)と呼ばれたらしい),前8~後5世紀のさまざまな_(ふく)(釜の一種),前2~後2世紀の動物文様長方形帯飾板などがある。どの時期にもモンゴルから黒海北岸に至るユーラシア草原地帯の遊牧民の文化と関係がある。地域差,年代幅が大きいので,一つの文化とは認めがたい。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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