オランダ領東インド(オランダりょうひがしインド)
1619年バタヴィア(ジャカルタ)に拠点を構えたオランダが徐々に勢力を拡大し,1942年3月に日本軍の占領を受けるまで領有した,今日のインドネシアの領域の植民地時代の呼称。オランダは1670年代にはインドネシアの海域世界で優位を確立。また同じ頃マタラム王国の内紛や18世紀には同王家の王位継承に介入し,ジャワに領土を獲得し始める。ヨーロッパにおけるナポレオン戦争の影響で19世紀初めにイギリスがオランダ領の東インドを一時期占領するが,1824年のイギリス‐オランダ協定によりマラッカ海峡を挟んで,イギリス側とオランダ側との勢力圏が画定される。その後オランダが植民地支配を強化すると,在来勢力の抵抗を受け,ジャワ戦争やミナンカバウでのパドリ戦争,バリ戦争,バンジャルマシン戦争,アチェ戦争などが生じた。こうした抵抗勢力を排したのち,1910年代にはオランダ領東インドの領域が完成した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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