ラティフンディウム
latifundium 「広大な土地」を意味するラテン語。古代ローマにおける大土地所有制。ローマは領土的発展に伴い,占領地を国有地とし,資力ある者の入植と開発にゆだねたが,初めは彼らの占有地であったものがしだいに私有化され,これが大土地所有制発展のもととなった。イタリアではこれらの土地で,奴隷制による果樹栽培が発達し,史上未曾有の奴隷制大農場経営が行われたが,地主から遠隔にある穀畑では小作制が多くとられた。また属州,特に北アフリカでは総請作制と再小作制とが結合された。帝政期に入っても大土地所有の拡大は進行したが,そのころから奴隷制はしだいに後退し,小作制が優勢となった。アフリカの皇帝領では小作人の隷属性が強く,のちのコロナトゥスの先駆ともみられている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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