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ロベスピエール

1758~94 フランス革命の指導者。1789年の全国三部会で第三身分の議員。国民議会では最左派の民主派として論陣を張り,議員でなかった立法議会期にはジャコバン・クラブで言論活動を続けた。ルソーを信奉し,質素でまじめな人柄で「清廉の人」と呼ばれ,民衆の生存権に配慮する社会思想を持っていた。国民公会にはパリから首位当選。公会左派(山岳派)の指導者の一人となり,民衆と同盟して革命を進める方策を推進した。93年7月に公安委員会に入り,民衆が望む経済統制などを実現する一方,独裁体制を固めて反対者には恐怖政治で臨んだ。94年春には左派エベール派,右派ダントン派を処刑。だがこの頃から,革命の危機の緩和に伴い各所で不満が高まり,かえってみずからの支持基盤を狭めた。新たな市民宗教を確立する試み「最高存在の祭典」(94年6月)も成果がなく,孤立を深めた。94年7月27日,国民公会で反対派から一斉に攻撃され(テルミドール9日のクーデタ),翌日,同志のサン・ジュストやクートンとともに処刑された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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