六派哲学(ろっぱてつがく)
ヴェーダの権威を認める古代インドの正統的な六つの哲学の総称。精神的男性原理と物質的かつ動的女性原理により現象世界を説明する二元論的サーンキヤ学派,心の統一による解脱(げだつ)の実修を説くヨーガ学派,論理学,認識論を主題とするニヤーヤ学派,原子論を説く自然哲学的ヴァイシェーシカ学派,ヴェーダ祭式の統一的再解釈をめざすミーマーンサー学派,ウパニシャッドの哲学が確立した世界の根本原理であるブラフマンを唯一実在とみなす一元論的ヴェーダーンタ学派からなる。4世紀頃までに根本経典がつくられ,それに対する注釈書,綱要書の形で発展する。ヒンドゥー教思想の基礎としてサーンキヤ的二元論とヴェーダーンタ的一元論が与えた影響は大きい。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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