楼蘭(ろうらん)
Loulan 西域の国名。クロライナ(Kroraina)の音訳。東トルキスタンのロプ・ノールの西北に位置し,タリム盆地の中国に最も近いシルクロードの要衝として栄えた。紀元前2世紀以来,漢と匈奴(きょうど)は東西貿易の主導権をめぐって争ったが,前77年漢は楼蘭を鄯善(ぜんぜん)と改め属国とした。しかしロプ地方の乾燥化に伴い荒廃し,無住の地と化した。20世紀初頭ヘディンによってその遺跡が発見され,その後スタインや大谷探検隊,さらに中国の調査隊により魏晋時代の漢文文書やカロシュティー文書(カロシュティー文字)も収集された。その解読や考古学的調査によって実態が明らかにされつつある。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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