三十年戦争(さんじゅうねんせんそう)
1618~48年の間,ドイツを舞台に断続的に行われた国際戦争。17世紀初めよりカトリック諸侯はリガ,プロテスタント諸侯はウニオンを結成して対立したが,1618年ボヘミア王フェルディナントのカトリック的圧制に対しプロテスタント貴族が反抗したのを契機に戦乱が起こった。翌年皇帝となったフェルディナント2世は,ボヘミア王を廃位されたが,リガとスペインの支持を得て,20年ビーラー・ホラの戦いでボヘミア軍を破り,再カトリック化を強行した。25年デンマーク王クリスチャン4世が新教諸侯と結んで侵入したが,ヴァレンシュタイン,ティリーの活躍により皇帝軍の勝利に終わった。つづいて30年プロテスタントのスウェーデン王グスタフ2世アドルフがフランスと同盟して侵入したが,リュッツェンの戦いで戦死し,プラハの和となった。最後にフランスがスウェーデンと呼応して侵入したが,カトリック,プロテスタント両派とも戦乱に疲弊して平和を望むに至り,ウェストファリア条約により終わった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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