宰相(さいしょう)
中国における中央政府の最高責任者で,皇帝を輔佐するもの。このような大官の歴朝の呼称が同一でないため,便宜上宰相という。唐代には,尚書,門下(もんか),中書の三省の長官(尚書令,侍中(じちゅう),中書令)が宰相の職務を遂行した。ただ,尚書令は太宗が就任していたため任命されず,左右の僕射(ぼくや)が実質的な長官であった。唐代中期,中書省と門下省とを合わせて同中書門下平章事(どうちゅうしょもんかへいしょうじ)を置き,これを宰相の任として,以後北宋中期まで続いた。北宋の神宗(しんそう)は官制を改め,唐の三省を復活,門下侍郎兼左僕射と中書侍郎右僕射の2名を宰相とした。南宋ではこれをさらに左右の丞相(じょうしょう)と改称し,元代にも引き継がれていく。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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