採集経済(さいしゅうけいざい)
狩猟・漁撈・植物採集の経済の総称。食糧生産経済である農耕・牧畜経済とは異なる生業経済。資源の多寡に応じて季節的な移動を必要とすることが多いが,豊富な海産物などがある場合,定住生活もする。旧石器時代に関しては,遺物の残存しにくい点から,植物採集の痕跡の発見はすこぶる困難であるが,むろん狩猟,漁撈が行われ,植物採集もあった。中石器時代には,イベリア半島や北ヨーロッパの貝塚から,採集生活の行われた点を知ることができる。新石器時代になっても,初期にはなお採集経済が持続し,日本においても,縄文時代は採集が主たる経済であった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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