1917年憲法〔メキシコ〕(せんきゅうひゃくじゅうななねんけんぽう)
メキシコ革命の内戦が一段落した1917年に制定された憲法。その後修正をへているが現在も有効。革命の主導権を握ったカランサは16年に制憲議会を招集,大統領選挙の実施が最優先されるなかで改革派の意向が容認され,当時としては進歩的な内容となった。教育からの教会の排除を規定した第3条,土地の原則的国家への帰属,教会の土地所有禁止,外国人の土地所有の制限,エヒードの復活につながる土地共有の是認などを規定した第27条,8時間労働,最低賃金,団結権など労働者の権利を規定した第123条が特徴的。しかし,この憲法下で大統領に選出されたカランサはその内容を実行せず,農地改革や労働者の権利の尊重などが進展したのは30年代のカルデナス政権下でのことであった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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