1. 用語
  2. 世界史 -せ-
  3. 節度使(せつどし)

節度使(せつどし)

唐,五代の軍職。府兵制の崩壊後に辺境の傭兵集団の総司令官として置かれた。710年の河西節度使設置に始まり,開元,天宝の頃に10節度使があった。安史の乱中より国内各地にも置かれ,民政も掌握し,藩鎮(はんちん)と呼ばれて,その数は唐代で40~50,五代で30~40に及んだ。節度使は数州を領し,治所に牙軍(がぐん)と呼ばれる親軍や私兵を持ち,管内要地に外鎮軍を置いた。牙軍は待遇をめぐってよく反乱を起こし節度使を廃立したので,その支配は必ずしも安定していなかった。強大な藩鎮は中央に対しても反乱を起こしたが,特に安史の乱の後に内地の要所に置いた河北三鎮はほとんど自立状態を続けた。黄巣(こうそう)の乱後は各地の節度使が完全に自立し,実権は兵士,土豪らに握られた。そのなかから五代の王朝が出るが,宋の統一で兵力を奪われ実権を失った。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう