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青年ボスニア(せいねんボスニア)

Mlada Bosna 反ハプスブルク帝国とボスニアの近代化を求めて,1890年代中頃に生まれた青年の文学・政治サークルの総称。ボスニアの主要な諸都市に集まったのは,主として農村出身の中等学校(ギムナジウム)の生徒たちであった。1908年のハプスブルク帝国によるボスニア併合後,運動は活発化した。このサークルに参加した青年たちは雑多な思想の影響を受けていた。ロシアの思想家チェルヌイシェフスキー,ゲルツェン,バクーニンの著作が好んで読まれたほか,イタリアのマッツィーニの影響も強く,青年ボスニアという名称は青年イタリアにちなんでいる。ハプスブルク帝国の軍事占領からの解放と,民族や宗教の違いを超えた南スラヴの統一がめざされた。サライェヴォ事件に関与したプリンツィプらはこのサークルに参加していた。第一次世界大戦とともに消滅。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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