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人類学(じんるいがく)

anthropology ヨーロッパでは,人類学は生物学的存在としての人類(化石人類,人種,人体の機能など)を研究する学問(自然人類学)を意味しているが,アメリカではもっと大きい概念であり,自然人類学と,文化的存在としての人類を研究する文化人類学の双方を含み,文化人類学は民族学のみならず考古学や言語学の一部を含む。文化人類学(民族学)はいわゆる伝統文化の比較研究から出発した学問で,19世紀半ばに独立の学問となったが,その成立のゆえに研究の対象の多くはいわゆる近代化の影響が比較的少ない諸民族の文化で,研究者のフィールドワークが大きな役割を果たしてきた。また,文字史料が多く職能分化の進んだ欧米や一部のアジアの地域における文化や人間の研究を拡大し,またときには批判する働きをしてきた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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