シルクロード
Silk Road ドイツ語ザイデンシュトラーセンの訳。中国の絹がヨーロッパ方面へ輸出されるのに利用された内陸アジアの交通路の象徴的総称。漢の都長安(西安)から甘粛をへて敦煌(とんこう)に出,ここで南北道に分かれる。北道は天山南麓の,また南道は崑崙(こんろん)北麓のそれぞれのオアシスを経由しながら,ともにカシュガルに至る。パミールを越えてアム川,シル川の上流域またはカシュミール地方に出て,道は分岐しながらもローマ帝国東方に達する。このオアシス・ルートが基本となるが,中央ユーラシアの遊牧民社会のなかを東西につなぐ草原ルートが漢代以前から存在した。商品や人物の移動だけでなく,仏教,ゾロアスター教,マニ教,景教やイスラームの東方伝播など文化交流に果たした役割は大きい。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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